たっちー の ひとりごと

今昔の思い出や、心に残った事を書き留めていきます。

仕事の生きがい

今から20年以上前になりますが、当時僕はテレビ局で音声の仕事をしていました。週に一度の音楽番組を担当していたのですが、生放送ということもあり、神経が磨り減る日々でした。今から思えば結構有名なアーティストが来ていました。デビューしたばかりのプリンセスプリンセスや、シャ乱Q、グレイ、バービーボーイズ、レベッカ、TM NET WORK、THE BLUE HEARTSユニコーンBUCK-TICK、JUN SKY WALKER、X JAPANLINDBERGなどなどきりがないです。すべて生演奏なのですが、音楽のミキシングは、事前にリハーサルを何度も行い、完成に近づけていきます。カメラのリハーサル、アーティストの練習も兼ねて行います。1つのバンドで使用するマイクの数は30本近くになり、その1本1本から収音される音を調整して全体の音楽を作っていきます。リハーサル終了時に各アーティストが副調整室(スピーカーと機械だらけの部屋です)に入ってきて仕上がりの確認をします。緊張の一瞬です。認めてもらえないと次回から外されることもあります。本番は、血圧が200を超える?瞬間があるくらい緊張します。生放送ですので、いろんなトラブルも発生します。BLANKEY JET CITYが演奏した時ですが、本番中にギターが故障して音が出なかったことがありました。さすがプロだなと思ったのは、彼らは全く動じずにドラムとベース、ボーカルだけで完奏しました。素晴らしい演奏で、ミキシングをしていた僕も鳥肌が立つくらい感動しました。やりがいとは裏腹に、自分としてはなかなか満足のいく仕事ができず、ずっとな悩んでいました。ミキシングは感覚の仕事ではあるのですが、仕上がりの出来不出来の判断はとっても難しいのです。まずはアーティストに認めてもらえることが第一ではありますが、それだけでは満足できませんでした。そろそろ後輩に譲るべきかなと考えていました。

そんなある日、番組のスタッフが1枚のはがきを僕に持ってきました。それは女子高生から番組へあてたものでした。そのはがきにはこう書かれていました。

「いつも楽しく見ています!音楽の音がすごくカッコいいです!」

来週からも頑張ろうかなと決意した瞬間でした。現金なものです。。。