たっちー の ひとりごと

今昔の思い出や、心に残った事を書き留めていきます。

娘との日々

僕の娘は今から20年前に生まれました。奥さんは高校の同級生で、娘を妊娠した時は36歳でした。なかなか子宝に恵まれず、随分と産婦人科に夫婦で通院していました。やっとの思いで妊娠が疑われたとき、さっそく簡易の妊娠検査薬を購入に行きました。薬局が閉まる直前に入店できたのですが、店員さんが「1500円と、2000円どちらにしますか?」と聞くのです。高い薬のほうが正確?と勝手に判断して2000円の検査薬を購入しました。今から思えば、どちらも同じだったかなと思いますが。。尿で検査するのですが、見事に陽性でした。世の中にこんな嬉しいことがあるだろうかと思うぐらい喜んだことを今でも鮮明に覚えています。

しかし、喜んだのも束の間で、赤ちゃんの定期検診を行う中、ある病気が疑われたのです。「神経芽細胞腫」という名前の病気でした。極めて稀な病気ですが、かかるとほとんど助からないと言われるガンです。乳幼児しかかからない病気ですが、バニールマンデリン酸という物質を尿から測定して判断します。この病気がやっかいなのは、このバニールマンデリン酸は、名前の通り、バニラ成分が、バナナなどの食品に含まれており、食事で変化することです。その数値が疑陽性であったため、定期的に測定して判断します。その期間が半年なのです。つまり、次の検査で大幅に数値が上がっていなければ、その病気でない可能性があるということになるのですが、またさらに半年後に検査して1年間で大幅に増えていなければ、やっと疑いが晴れるわけです。その1年間、ずっと子供が「ガンで死ぬかもしれない」と思いながら生活をするわけです。誰にも相談できず、本当に悩み、暗い1年でした。疑いが晴れたときは涙があふれ出ました。

そんな彼女も今二十歳です。