たっちー の ひとりごと

今昔の思い出や、心に残った事を書き留めていきます。

父親のこと

今月末父親の誕生日を迎えます。生きていれば85歳になっています。29年前、父親は56歳の若さで他界しました。今年僕はその年になりました。父親は56歳で止まっています。つまり、今年を境に父親は僕よりもどんどん若くなって行くのです。父親を亡くした時からずっとこの年を待っていました。というか、この年を迎える前に死ぬべきのような気もしていました。父親は亡くなる随分前から腎臓の病にかかっていました。そして、亡くなる13年前から人工透析を行っていました。当時、人工透析で15年以上生きた前例がなく、もし後2年続けられたらギネスに載ったはずです。

父親が亡くなるまでの一年間はあまり見舞いに行きませんでした。大好きな父親だったにも関わらず見舞いにいきませんでした。今では本当に後悔していますが、おそらく弱っていく父親を見たくなかったのかもしれません。本当に後悔しています。

しかし、一番後悔しているのは、僕の腎臓を提供しなかったことです。確かに当時の腎臓移植技術は今とは比べものにならないくらい成功率が低かったと思います。成功率が低いから提供しなかったのか?自分の腎臓が一つ無くなるのが怖くて提供しなかったのか?当時の自分の心の中を覗いてみても答えが見つかりません。いや、きっと腎臓が無くなることが怖くて言い出さなかったと認めたくなくて逃げているのかもしれません。どちらにしても医者にそのことを相談しなかったことは事実です。

その時のことを思い出すと涙が止まらなくなります。そんな僕が今年父親が亡くなった時と同じ年齢になりました。今月末の父の誕生日と、命日の日には二人で一緒に酒を交わそうと思います。二人だけでゆっくりと。